REPAIR
修復・修理
REPAIR (SHUFUKU)
修復について
修復とは時間や災害・人災等によって破損した仏像を元々の御姿に戻すことです。
ただし制作当初から現状までの間に修理されている場合は、破損前まで戻すか、当初まで戻すかは施主との相談です。
修復にはなるべく当初の材料(漆(うるし)・ニカワ等)を用います。
寄せ木造りの修復は一度全部バラし、当初から残っている健全な塗装以外は除去した後、
接着面が合わない場合は木材を接ぎ足し再接着します。欠損部があれば新しく彫刻します。その後不自然に見えないよう周りにあわせて古色彩色を施します。
また、虫食い等で当初木材がスポンジ状になっている場合は、樹脂等を充てんし使用します。
REPAIR (SHURI)
修理について
修理は破損した仏像を、施主様の拝み易いお姿にしてさし上げる作業で、材料にもそれ程こだわらず現代の技術で直します。
(例)仁王像(高山市千光寺蔵)修理

寺院所蔵ですので、精抜き(撥遣 : はっけん)と言う)
精入れ(開眼 : かいげん)は御住職がなされます。
1. 光秀造佛處に搬入
2. 現状の把握と記録
3. 修理行程
表面塗膜の除去(竹ヘラ、ナイロンブラシ、サンドペーパー)
鉄製の釘(くぎ)・鎹(かすがい)はサビてゆるんでいるため除去→ステンレス木ネジに変更。
小さな欠損・摩耗部位矧合(はぎあわせ)のゆるみは木屎(こくそ=木粉を接着剤とまぜペースト状にしたもの)を充てん。
大きな欠損は新しく彫刻する。
彩色(さいしき)—ベンガラ使用。4. 搬出→千光寺仁王門に奉安
5. 極楽門(仁王門)落慶法要(開眼)
修理前

修理後

寄せ木作り
寄せ木作りとは、何本もの角材を仮接着して仏像を彫刻した後接着部をはずして内側をくり抜き(内刳:うちぐり)空洞にする技法のことです。
これにより、軽量化・干割れの防止、巨像制作の分業等のメリットがあります。
寄せ木作りの場合は接着剤が劣化して、接着面が離れてしまっている事が多く、表面の彩色や漆箔(しっぱく)(うるしと金箔)もはがれたり、ういたりしていることが多く見られます。
仏像の仕上げ
基本は白木(しらき)仕上げですが、必要に応じ、金泥加飾・彩色を施します。
当處では染料による染色をする為、いわゆる絵の具での彩色よりも手間と時間がかかりますが、より深みのある儀軌に則した仏像であると確信致しております。
(例)弘法大師座像の衣は丁字染液で5回程の重ね染色です。