RELIGIOUS
宗教家として
仏像を彫る
BUUSHI AND MONK
仏師と僧侶

仏像は言うまでもなく仏教を信心する上での重要な存在です。現在では仏像を造る仏師と拝む僧侶は別々の職となる場合がほとんどですが、仏教が日本に伝来した頃から、平安期に仏師の祖と言われる定朝が組織的な仏所を運営する様になる迄は、仏師は僧職をはなれては、ありえなかったと言われております。
OPPORTUNITY
僧侶への道
私は仏像のカタチに魅了され、この道に入りました。制作者として当初は、仏像を彫刻作品のひとつのジャンルとして、その歴史と技法、そして人体の構造、骨格 筋肉を学び、いかに立体表現をするかという事に囚われておりました。
しかし40歳を過ぎたある頃、突如として「拝む為の仏像を造る私が拝んでいないとは何事だ」との思いが強大となり彫刻刀を持てなくなってしまいました。
そして、時を同じくして心の奥にあったもう1つの大切な思い。1996(H8)に生まれて10日で亡くした長男の供養をしてあげたい。
同じように大切な人を亡くし、どうしようもなく立ち竦む人達が居れば、仏像を通じて御佛の慈悲をお届けしたい、という思いがありました。
高野山真言宗
佛道修行をする為にはまず宗派を決め、その本山の定める所の子弟教育(修行)を受けねばなりません。
私はまず「本物の仏像を造る」という目的を定めました。そして、あらゆる御佛を含む曼荼羅を教義に持つ密教、その根本道場である高野山真言宗に思い至るのでした。
その後、幸いにして寳心寺の御住職、星島光雅和尚という良き師匠に恵まれ高野山で修行させていただくことができました。
『光秀造佛處』で続ける祈りと仏像制作
爾来、光秀造佛處の一日は未だ明けやらぬ朝の勤行から始まり、夕べのお勤めで終わります。
毎週一回は各種の行法を修します。特に28日は不動明王を御本尊とする不動護摩法を修しております。